素朴な疑問を抱く未来の科学者と、潔癖神経固執野郎のための「どっちでもいいけど、どっちでも良くないもの」シリーズ第3弾は、ブドウとマスカットです。
私はブドウは丸呑みですが、マスカットはかじって食べます。何故かはわかりませんが、そうしてきました。最近、どっちも食べてません。
おそらく、多くの人が想像しているのは、ブドウ>マスカットという図式でしょう。マスカットはブドウの仲間だろ?っていう。今日はそこから先に踏み込んでみましょう。
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ブドウとマスカットの違いは品種の違い
これはもう言うまでもないというか、常識でしょうね。
クジラとイルカと一緒、マスカットはブドウの仲間です。何が違うって、この2つは品種が違う。以上です。
問題はマスカットです。
マスカットは黄緑色だけじゃないぞ
みんながマスカットだと思っているのは、
マスカット・オブ・アレキサンドリアという、数あるマスカットの中のたったひとつの品種に過ぎません。
実は、黄緑色のマスカットはむしろ少数派で、他の品種のほとんどは黒~赤紫なのです。
野菜や果物はこういった名前の広まり方が多いですよね。たったひとつの有名な品種が、ファミリーの中で特殊な存在でありながら代表として世に浸透してしまう。家族の方はさぞ苦労されているかと思います。お前の特徴は我が家の象徴的なものではないんだけどな・・・というあれです。
メロンの果肉の色とかね。高級メロンといえばオレンジ色というのが浸透し過ぎてしまっています。メロンを切って開いて、あの色じゃないとちょっとがっかりしませんか?緑でも美味しい奴はたくさんあるのにも関わらず、無駄に失望してしまいます・・・
話が逸れました、Wikipediaでマスカットを見てみると、画像はこの1枚だけです。
マスカットの代表はこれだと言い張っています。なんだかちょっと意地が悪いですよね。
「君たちはマスカットと言えば黄緑色だと思っているかもしれないけど、違うからね。本当はコッチ。」
と言っているように見えます。
我々が普段、普通に生活している分には、マスカットは黄緑。これで十分だと思います。
赤ワインはブドウ、白ワインはマスカット、じゃねーからな!!
ブドウと言えば、ワインです。ファンタじゃありません。
まさか、白ワインはマスカットから作られていると思っていませんよね?まさかね。そんなことあるわけないじゃないですか。
ワインの色の違いは、皮の色ではなく、作り方によって変わります。
赤ワインは、実も皮も種も全てごちゃ混ぜにしてグチャグチャに踏み潰して作りますが、白ワインは果実だけです。容易に想像がつきます。
でも、マスカットを皮と一緒に作ったら白ワインみたいになるんじゃねーの?と思いませんでした?
じゃあ言いますけど、色が濃すぎて黒っぽくなってるやつは黒ワインですか?私はあくまでも製法の話をしています。余計な追求をするのはやめておきましょう。
種なしブドウってどうやって増やすの?
ブドウには種なしの品種があり、多くの商品が出回っていますが、これはどうやって作られているのでしょうか。種がないのにどうやって増やすのか、不思議に思っている人もいると思います。
このカラクリは簡単で、種なしブドウは、生まれた後に種なしブドウになるんです。
成長の途中で、ジベレリンという薬品とブドウを反応させて、種が出来ないようにしています。だから、種なしブドウとして売られている品種も普通に育てて放っておけば種は出来るってことです。食べるやつは種なしにして、増やす用のやつは別にとっておいて、という段取りなんですね。
ちなみにスイカも同じような感じです。
まとめ
黄緑(白)のマスカットは、マスカットの中でもほんの一部の品種であることがわかりましたね。
どうでしょうか。腑に落ちたでしょうか。同時に新たな疑問が降ってきた人も多いのではないでしょうか。
解決ばかりを求めてもいけません。大切なのは、疑問を持って生きていく、ということです。
おまけのマメ知識
冒頭のブドウとマスカットの写真、映えますよね。赤紫と緑、紫と黄緑は色相環で言うと反対の位置にあるんです。互いに高め合うブドウとマスカット、世の中うまく出来てますねえ。
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