コケと藻は混同されがちです。いわゆる正式名称と、俗称がこんがらがって絡まりまくっている状態。これを解きほぐしましょう。
コケと藻(も)の違い
水槽の壁面につく緑の膜的なあれ、あれを人はコケと呼ぶことがあります。そんな人いないよ、というのは今回は受け付けないことにします。私がこの耳で確かに聞きました。
藻類(そうるい, algae)とは、酸素発生型光合成を行う生物のうち、主に地上に生息するコケ植物、シダ植物、種子植物を除いたものの総称である。
苔(こけ)・コケは地表や岩の上にはいつくばるように成長し、広がるような植物的なもの。狭義のコケは苔類、蘚類、ツノゴケ類の総称としてコケ植物を指すが、コケはそれに加え菌類と藻類の共生体である「地衣類」や、一部のごく小型の維管束植物や藻類、シダ植物などが含まれる。
そうです。コケの説明には、コケはそれに加え菌類と藻類の共生体である「地衣類」や、一部のごく小型の維管束植物や藻類、シダ植物などが含まれる。という曖昧な表現が加わります。
大変ややこしいです。
ところでコケの説明で、『植物的なもの』というのはありなんでしょうか。その後、コケ植物って普通に言ってるし。
詳細な議論はあえて避けましょう。誰のためにもならないような気がします。
子供に聞かれたらどうするか
研究者ではない、一般人にとって世の中の科学的な問題は大半はここに行き着きます。ここをクリア出来ればOKだと思います。
上の説明を踏まえれば、子どもが水槽にモアっと広がる藻を観て『コケだよ』と言ったら『そうだね』と答えていいことになります。誰も不幸になりません。
ただ、コケにも色々あるんだぞということぐらいは匂わせておいたほうが良いです。
大人にはどうするか
なぜなら、コケは日本国歌に登場する偉大な植物であり、世の中には盆栽関係の大人も多いからです。
『盆栽が趣味でして。今、周辺を飾るためにコケを撒いてるんですよ』と言われた場合、頭のなかで水槽の藻とか、湖や池で繁殖した彼らを想像するのはやめておきましよう。
盆栽と言われれば、こっちを思い浮かべるかもしれません。
では、『コケを育てています』という人に会ったら。
『まさか、松がない盆栽を?』というのは近からず、遠からずですが、何も緑色の坊主頭のようなものを育てて喜んでいる訳ではないということだけは知っていおいて欲しいです。
コケにも色々あるんです。
こういうのとか、
あるいはこんなフサフサしたものも、
勘違いは、された方ではなくて、した方が最終的には損をします。本当です。
まとめ
専門家になればなるほど、人は微細な違いに敏感になります。宮本亜門になるんです。古すぎてわかりませんか。そうですか。
どうやったって何か突き詰めてやっていれば違いがわかるようになってしまうものです。でも、関係ない人にはどうでもいいと思われてしまいます。宮本亜門になるときと、高田純次になるときを上手に使い分けないと、本当の意味での違いのわかる男(女)にはなれないのです。