地球には14億Km3の水がある。
途方もなくて、イメージが沸かない。
そのうち、海水は97%。淡水は3%。
淡水の70%は北極と南極の氷である。
地下水を含め、川や湖などから引っ張ってきて人間が使うことができるのは0.8%になる。
淡水の0.8%でなく、地球の水の0.8%だ。割合で言われると、なんだかややこしい。
「0.8%しかないの?じゃあ大事に使わなきゃ!」
と思わせるために言っているに違いない。
普通はそう思う。
0.8%は別に少なくないよ
日本は大量に雨が降る。
世界平均の2倍だ。年間6500億m3。これもちょっと数字がでかすぎてわけがわからない。
とにかく、平均の倍だからすごい量である。1/3が蒸発しても、4000億m3以上が残る。
農業や漁業に600億m3、工業用水が150億m3ぐらい使っているらしい。
一般家庭とか、民間で使っているのが150億m3。
合わせて900億m3だから、雨で降った分の1/4しか使われていない。
この数字が2015年現在合っているのかは知らない。だいたいあっているはずだからそこはあまり問題ではない。
大事なのは、日本は節水どころか、むしろ持て余しているということ。
「水不足になる年もあるじゃないか」
という人もいるだろう。
「溜め方が下手なんじゃないの?」
と言ってあげたい。
インフラは、みんな気づかない
人間、なんでも今の環境を大前提で考える癖がある。
インフラとか、第一次産業方面は特にそう。
インターネットが普及して、頭が良さそうな人は時代を先読みとかいろいろ言っているけども、一般人に普及しているのはせいぜいiPhoneとアンドロイドはどっちがいいとか、AppleWatchは普及するかとか、その程度の先読みだ。
5、6年前まで、docomoは電波が最強だからといって、頑なに通信会社を変えなかったやつは大量にいた。
山手線の西側はまだSoftBankは弱いとか、地下はauだ、とか言っていた。
いつの間にやら。である。
一生懸命電波を張り巡らせている人たちに気づきもせず、気づこうともせず。
電波の通りが悪ければ、通るようにすればいい。
水が余っているなら、使えばいい。
そうなんだけど、実際にやるやつは思いの外少なく、いざ充実すると飛びつく奴は驚くほど多い。
日本は資源が豊か
日本は資源がないと言われるけれど、水資源は豊富だ。
鎖国時代、江戸幕府が繁栄したのはなぜか。圧倒的な資源を国内でまかなえたからだ。
資源というと産業革命の後のことばかりが言われるけども、資源は何も石炭や石油ばかりではない。
水は強烈な資源だ。
せっかく豊富な水を1/4しか使っていないのだから、無駄にしていると言える。
せっかく降った雨を、せっかくダムで溜めた水を、ジャブジャブ海に流している。
無駄遣いをしているんだから、なくなるときもある。当たり前だ。
海水が蒸発して、雲になり、雨を降らす。一連の流れで使われた太陽エネルギーも無駄にしている。
もっとうまくやれるはずである。それが何かは私は知らない。だから考えている。
フランスの水を飛行機や船で運んできて飲んでいる暇があったら、日本の水をもっと有効活用できないか考えた方が良さそうだ。
東京の水道水と、ボルヴィックで利き水をさせても、はっきり違いを指摘できる人はいない。本当だ。
金も石油も無駄にして、結局その水も無駄にしている。
淡水利用率が1/4から1/2になったら、それはもう世界が変わるんじゃないだろうか。