コケにしろ、デカ草にしろ、日々の写真撮影はつまらないものです。
こんなものを撮って楽しいと思いますか?
何しろ毎日観ていると変化がわかりませんから非常に歯がゆいです。しかし、これをサボると1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後の歓びを失います。
時間が経たないと面白くないのです。瞬間瞬間は、好きなのかどうか、楽しいのかどうかもあまりよくわかりません。
だからやるしかない。
「誰に言われるでもなく、ついやってしまうことが本当に好きなことだ」なんて言いますが、そんなものに出会える人は稀です。
たとえ本人に好きだという自覚があっても毎日やっているとさすがに飽きますから、自分を騙す技術というものが必要になってきます。好きだと錯覚させるのです。
毎日コケとふれあい、無心でシャッターを切り続けることにより、私は自ら使命感を覚えることにしています。
心を変えるにはどうすればいいのか
心が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば人生が変わる
有名な言葉です。誰が言い出したかは謎らしいですが、元巨人、元ヤンキースの松井秀喜が高校時代に所属していた野球部の山下監督から贈られた言葉だ、という話が出てきたことで一気に庶民に知られることになった、と記憶しています。
この言葉の問題は1行目。
「心」をどうやって変えるの?ということです。
思い込みが一番ですが、思い込むというのは自分の心を動かさないといけません。
「脳は末梢の奴隷」と言いますから、心を動かすには、最初に行動しないといけないのです。
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心が変われば行動が変わる
行動が変われば心が変わる
心が変われば・・・
そう、多くの人は心と行動のところで、鶏と卵問題にぶち当たり、無限ループを繰り返します。
脳は使っていないと腐ってしまうので、どうにかして自分の存在を維持しなければいけませんが、一番手っ取り早いのは、無限ループです。
体は大きいけど脳が小さい動物はたくさんいます。本能で、反射的に体を動かすには脳はそんなに大きくなくても良いという証拠です。
人間は実質的に脳を持て余しているので、手足を動かさずとも頭で勝手にあれこれ考えることでカロリーを消費し、脳を維持しています。余計なことを考えるのはそのためだと言われています。
アウトプットせずとも、自分で勝手に無限ループを繰り返すことが出来る、便利なような不便なような絶妙なシステムです。
だから、行動が変わらずにいつまでも心の中でクルクルやってしまう人が現れるのですね。
階段じゃなくて螺旋階段
初めはみんな心と行動、鶏か卵かの無限ループです。人工衛星だってそうです。星の周りをぐるぐる回って、あるとき勢い良く大気圏を突破していきます。
高度10mだと思っていたのが、気づいたら50m、100m,1000m。いつの間にか100kmになっているのが理想です。
成長するイメージを階段を使って表現されることが多いですが、糸井重里さんは、あれは普通の階段じゃなくて螺旋階段だと言います。
騙して騙して騙しまくった先に
自分の欲望に素直であることは大切だ、という主張する人は多いです。でもそうやってみんな食い過ぎて腹が出てきたりするじゃないですか。
私は、もっと自分を騙した方が良いと思っています。
好きなことをやりたい放題やっているように「見える」みうらじゅん先生も、本当は違うのです。
仏像も、ゆるキャラも、いやげ物も、単なる思いつきではありません。
自分にウソをつきながら、螺旋階段を上っていけばいつの間にか屋上に辿り着いているはずです。