昨年からうなぎ上りだった中国の株価が最近暴落して話題になっています。
経済に詳しくない人間にとっては理由がよくわかりません。私もそうです。
中国は国民総生産がぶっちぎりの2位。日本を大きく突き放しています。そんな中国が不況になってしまうと、日本への影響は大きい。我々はとても困るのです。
ですから、中国の今の経済状況、実態を知らなければいけません。そう思っていた所にちょうど池上彰先生が駆けつけてくれました。テレビってすごいですね。
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不動産投資の流行
日本のバブル崩壊も、アメリカのリーマン・ショックも原因は全部これ。不動産投資って恐ろしいですね。全然「不動」じゃない。
不動産投資が流行って、株価がうなぎ上り。そして下落。中国もこの流れなんですね。では、どうして株価の下落が起きてしまったのでしょうか。
中国は社会主義?共産主義?資本主義?
中国は社会主義で資本主義経済。だけど共産党が支配している。ややこしいですね。
今回のポイントは、政府、共産党が経済を支配しているというところにあります。
日本やアメリカのような自由経済ではないということ、国が操作している部分が大きいということです。
中国の証券取引の仕組み
日本では、日本の会社の株をどこの国の人間が買っても構いません。アメリカ人が評価して株をたくさん買ってくれたら、その会社の株価は上がります。その代わりに、アメリカ人が株の大半を買い占めてしまったらアメリカ人に支配されます。これは自由経済の国はどこでも同じです。
江戸時代から続く呉服店でも、株の全部をアメリカ人に売ってしまえば、会社はアメリカ人のものになるということです。
中国の証券取引の仕組みは特殊です。外人からの支配を嫌います。国が支配したい。だから、中国人が買う用の株タイプAと、外人が買う用の株タイプBに分けています。Aの割合を大きくして、絶対に外人に支配されないようにあらかじめ仕組んであるのです。
国内株Aの評価を上げれば、実際の経営状況、外人枠Bの評価とは無関係に株価を上げることも出来るということです。
中国政府が国民を誘導する茶番システム
中国の新聞は、必ず政府のチェックを受けます。報道の内容を政府が操作できてしまうのです。日本では考えられませんね。
そこで、これから不動産の株が上がるという報道をして国民を誘導しました。
中国は農家も投資家。個人の割合は8割
中国では原資の最大10倍(日本は3倍)の金額の取引ができることになっています。信用取引というやつです。そのため一般人の投資家、個人投資家の割合が6〜8割を占めると言われています。農家も漁師も、サラリーマンもみんな株をやっているわけです。
そこへ政府が、「不動産の株上がるから。よろしく。」と言う。
政府の発言は絶対です。みんな、「上がるんだったら、買うしかねえじゃん」となります。
中国の人たちもこれが茶番劇であることはわかっています。でも、絶対株価が上がって儲かるんだったら、借金してでも買いますよね。中には正義の為に闘う人もいるのかもしれませんが、普通の人間だったら株を買うと思います。
中国政府が誘導を失敗した
こんなんだったら、なんでもありじゃねえかと思いますよね?
でも中国政府も人間の集まりです。失敗はあります。
あまりにも急激に株が上がり過ぎると、バブル崩壊のリスクが高まります。それを恐れた政府は、急上昇を抑える方向に走りだしたのです。
「ちょっとねえ、上昇もここまでだわ。むしろ下がるかな。よろしく」
当然、個人投資家は「まじで。じゃあ売るしかないじゃん」となります。
その売りが激しかった。しかも、借金してまで株を買っていた人なんか、その危機感たるや半端じゃないでしょう。信用取引は儲けが10倍なら、損失が出た場合も10倍ですから。清算するためにはバンバン売るしかありません。
「おいおい、ちょっと待て、そこまでとは言ってないよ」という政府の気持ちも虚しく、株価は暴落したのです。ここでまた政府が動いて上昇を招こうとしても逆効果です。
「ええ、そこまでしなきゃダメってことは、実は相当ヤバイんじゃないの?」と投資家は考えるでしょう。茶番ならではの駆け引きがありますから。政府の動きに国民も敏感です。
まとめ
なんでもかんでも政府で操作するのはよくないということです。
個人投資家も、実態をよく見ずに、茶番システムに乗っかってバンバン買ったのが良くありませんでした。
困ったもんです。
中国は人も多いし、国土も広い。全員が頑張ればすごい力を発揮するポテンシャルがあるのは目に見えています。早く茶番から脱却して欲しいですね。