
By: yajiro
私は決まった時間に食事をとるのが苦手です。気づくと少しずつ後ろの方にズレ込みます。
自然と周回遅れになるので、同年代の方と比べると生涯食事回数は2/3くらいになっているんじゃないかと思います。食べるのは好きなのですが、回数に拘りがありません。
おかげでこれまで肥満とは無縁の人生を送ってきました。
食事のサイクルがズレている。
それが良いことなのか、悪いことなのか。たまに考えることがあります。

By: Kevin Wakelam
ライオンは日中、腹がいっぱいのときは寝転がっています。ズボラですね。王者の余裕でしょうか。
中にはあまりにも怠け者すぎて寝っ転がったまま吠えて縄張りを誇示するやつもいるようです。
しかし、腹が減って極限状態になると彼らの身体能力はMAXになります。
狩りをするには非常に都合が良いですね。「腹が減って力が出ねえ」とは真逆なのですから。
高校2年生の頃です。そんなライオンに憧れた友人がクラスにいました。
テニス部の松岡くんです。
「空腹の時こそ俺は最高のパファーマンスを発揮する」
そう豪語していました。
テニスといえば、コートチェンジの合間にバナナを食っている選手をよく見ます。
高校生のテニス事情はよくわかりませんが、おそらく試合中にバナナを食べる人はいないでしょう。
それにしても、彼の擬似ストイックはやり過ぎでした。
「元気が出ないから食べなよ」という周囲の助言には耳を貸さず、彼は試合の朝ですら何も食べなかったそうです。
げっそりしていたに違いありません。育ち盛りですから。
それでも「俺はライオンのようにありたい」
松岡くんは言い続けました。
そして、迎えた地区予選の一回戦。
彼は試合中に脚の骨を骨折しました。
まさに踏ん張りが利かなかったのでしょう。
朝食の効能、目的
人間はライオンではありません。食、即、動力です。
スポーツ選手、特にサッカー選手なんかは試合の数日前から油物を控え、パスタばかりを食べて本番仕様のエネルギーを蓄えると言います。
かつてベルマーレ平塚、晩年はベガルタ仙台で活躍したイケメンの岩本輝雄選手は、試合の前日にどうしても天丼が食べたくなって「天や」で食事をしたそうです。
いざ試合になると、途中から全く走れなくなりあえなく交代を告げられました。
しっかり飯を食ったとしても種類によってはこのようにダメになるのですから、何も食べなかった松岡くんが足の骨を折ったとしても何ら不思議ではありません。
食べると本当に元気になるのか
日本人は朝食をしっかりとりましょう信仰が強いですよね。
「朝ごはんは元気の源だ」と明るい顔して言ってくる年長者は多いです。
例に漏れず、私の両親も朝飯教です。とにかく何か口にしないと気が済まない。
朝飯を食べない派の従兄弟の夫婦がいるのですが、彼らをいつも批判しています。
「あいつらはいつも元気がない。お盆に家に遊びに来たんだけど、畑仕事を手伝わせたらヒーヒー言ってた」
と得意気です。
ところが、その両親はガンガン朝飯を食べた挙句、よく昼寝をします。あまり説得力がありませんね。
従兄弟夫婦が畑仕事をして疲れ果てたのは単になれない作業をしたからであり、両親が朝飯を食べても昼寝をしてしまうのは単に年齢のせいであるかも知れず、このエピソードから朝食が人体に及ぼす影響を推し量ることは困難であると言わざるを得ません。
外人はあまり食べない

By: Hideki Iba
外人と言っても、それが欧米なのか、東南アジアなのかアフリカなのか定かではありませんが、おそらく欧米文化圏ということでいいと思うのですが、彼らの朝食のボリュームはそれほどでもないようです。
シリアルと牛乳とか、そんなところでしょうか。
それでも彼らは狩猟民族時代から脈々と受け継がれるDNAのおかげか、非常にタフです。全員ではありませんけど。
もっちりとしたコシヒカリに焼き魚に玉子に納豆という、ドッシリした朝飯を食べる日本人と彼らの比較もまた難しいことです。
そういえば、映画パルプフィクションの最後の方で、主人公2人が「朝飯を食べよう」と言ってファミリーレストランに行くのですが、そこで食べているのがホットケーキでした。
「ジョン・トラボルタ、それでいいの?」と思った記憶があります。
「食べるのではない、噛むから良いんだ」説
取り敢えず、何かを食べるというのはアゴを動かしてものを噛むということ。
それが脳を活性化させる。そんな説もあるようです。
腹が減ってなけりゃ無理して食う必要はないんだ。というやつです。
夜にお腹いっぱい食べたのなら、朝は軽めでいいんです。
なんとなく、寝て起きたらリセットみたいな感覚でいる人が多い気がします。だからみんな太るのでしょう。
そう、朝飯の目的
要は、午前中元気に活動出来ればそれで良いはずです。
カロリーメイトだろうが、ウィダーインゼリーだろうが、スムージーだろうが、本人が満足しているのならそれで良いのだと思います。
栄養学とか、そういう話ではありません。
何故人間だけが決まったサイクルでモノを食べようとするのか、不思議です。