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制度が整えば上手くいく訳ではない。企業子宝率を高める秘訣

 2016/04/15      社会

先日テレビ(ワールドビジネスサテライト)を観ていて、企業子宝率という言葉を知りました。

読んで字の如く、その企業に勤めている人にどれだけ子どもがいるかっていう指標です。

「企業子宝率」とは、男女問わず、従業員一人あたりが在勤中に持てる子どもの数を算出した値。
※計算方法は合計特殊出生率(一人の女性が一生に産む子供の平均数)に似た計算方法で算出される。

企業の『企業子宝率』が高ければ、子育てしやすいんだなというだいたいの目安になります。この数字が高ければ、社員が子どもを持つことに対して寛容であるということですね。自然と産休・育休も取りやすいはずです。

そんな企業子宝率ですが、会社がびっちり制度を整えれば数字が高くなるかというとそうでもないようです。なんとなく想像がつくような話ですけど、紹介します。

制度が整っている大企業の「企業子宝率」はそんなに高くない

オリックス。有名ですね。ここは女性正社員のうち約3割がワーキングマザー。
育児休業やベビーシッターの補助などの手厚い支援策を打ち出しています。

なんか凄そうです。番組でインタビューを受けていた自らもワーキングマザーであると言う人事部の女性課長も、この制度には自信を持っているようで、

「これ以上の制度はない、というくらい整っていると思う」

と豪語しておりました。当の本人の実感としては十分満足しているということですね。

しかし、

このオリックスの企業子宝率全国平均より下の1.19です。全国平均は1.3なので、まあ健闘している部類な気がしますが、制度やら援助やら散々やって平均以下なので効果は出ていないということです。

数字を見せられて、女性課長は『なんでだろう?』って感じのリアクションでした。察するに、この人は課長になるくらい仕事が出来る人なので、周囲との調整も上手で育児と仕事の両立が出来ているだけなんじゃないでしょうか。

いくら制度を整えても実際問題うまくいってない。制度を使えていない社員が多かったり、結局結婚できねーとか色々あるんだと思います。恋愛の時点で躓いている人は仕方がないとして、結婚して子どもが欲しいのに制度をうまく使えていないとしたら大問題です。

じゃあ、企業子宝率が高い会社ってどんなの?と思いますよね。期待通り、中小企業にそういう会社があるんです。

社長が社員の顔色を伺う会社

企業子宝率2.15という全国トップクラスの値を叩き出しているNTN袋井製作所(静岡県)

この会社は自動車のドライブシャフトを製造しており、社員数は259人の中小企業です。下町ロケットではないですが、まあそんな感じです。

男性社員も女性社員もバンバン子作りしています。2.15ということは、3人も4人も子どもがいる人がたくさんいるということ。たまたまじゃねえか、と思うかもしれませんが、インタビューに応えている従業員の声を聞くとそうでもなさそう。

会社設立当時からいる女性社員が、10年前に妊娠がわかったとき誰に相談すればよいかどうか迷ったらしいですよね。普通の流れです。

そこで、目についたのが同じフロアにいる社長

・・・ここから先は説明するのもめんどくさいくらい、ありがちな展開。その女性社員と社長、会社が相談して制度を作って今に至る、的な。

社長は『1日2回、社内全体を見回ること』が日課。つまり社員と社長の距離が近いんですね。社長は見回りをしながら社員の顔色を見ているそうです。別にビクビクしている訳ではなくて、気分が悪くないかとか、つらそうにしていないかとか、チェックしているんです。

素晴らしいですね。これは大企業なら何も社長じゃなくて、部門長的な人間がやれば良いことですね。でもそこまでやっている人はいないんじゃないでしょうか。

夫婦だって互いの調子を見抜くことは簡単ではありませんから、これは大変な仕事で、手を抜くことでもありません。

制度に人が合わせるなんじゃない、人に合わせて制度を作るんだ

結果的に、社長(会社)と社員の距離が近い会社の方が、柔軟に制度を作って上手に運用している。

企業子宝率は社員数が少ないほど高い傾向にあります。

大企業は、制度に人が合わせている。
中小企業は、人に合わせて制度が作られている。

なんて言葉が出てきました。当たり前だけど、出来てないですよね。

制度をどうにかすれば、制度が整った会社に勤めれば人生上手くいく、わけではありません。環境が整った職場がどういったものか、自分が幸せに働ける会社はどんなものか、企業子宝率がヒントになるかもしれません。